富山村・熊野神社を訪ねる②―熊野神社
熊野神社の鎮座地は、集落を見下ろす八嶽山麓の南に面した斜面です。参道途中に建てられた「富山村指定文化財 熊野神社」の由緒看板によれば・・・
正平元年(一三二四)に市原村を拓いた紀州田辺(現在の和歌山県田辺市)の田辺藤四郎国量は、その生国を落去する時、父の定偏が神前に祀られてあった幣を国量に与え「この御幣は霊亀二年(七一六)権現様を初めて熊野に迎えた時、当家の先祖がこの幣を以って、その地を潔め、熊野権現として移し奉ったものである。富山村教育委員会
祭神は「イザナミノミコト、ハヤタマオノミコト、コトワケオノミコト、キクリヒメノミコト」。
「正平(しょうへい)」はもちろん南朝歴の元号で、北朝歴では貞和2年(1346)~応安3年(1370)。富山村が開拓されたのは、南朝の後醍醐天皇の孫、尹良親王が居を構えたと伝えられるその時代でした。
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