最後の木馬(きんま)⑤―危険な作業

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2018年06月27日 05:16

 さあ、「後世へ残したい伝統の技 きんま・木馬 佐久間町大滝」は、危険な作業の場面を迎えます。






 「1本突き出ている丸太は、運搬作業の中で舵となり、ワイヤーを巻きブレーキの役割をします。木材を8石、2.2立法メートル積み込み、いよいよ出発です。力いっぱい引き出します」。










 木馬に積み込まれた丸太が1本だけ突き出ている理由が、これで分かりました。これが、まさに木の馬の首。舵の役割を果たすと同時に、巻かれたワイヤーでブレーキを掛けていたのです。

 「いくつもの桟橋を音を軋ませながら、丸太で作った軌道の上を通り抜けます。1歩足を踏み外せば大変なことになります。一瞬の気の緩みもできないところですね」。

 長い棒の先で軌道に塗っているのは、滑りをよくする油のようです。滑らなければ重いし、滑り過ぎれば危険。コントロールを失った木馬は、確実に木馬引きを押し倒すでしょう。

 木馬道を下から見上げれば、いかに物騒な道であったかが分かります。動画からは、橇と軌道の丸太とが擦れ合う音が聴こえて来ます。

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