北遠地方で木馬(きんま)=橇(そり)が最初に使用されたのは、明治23年(1890)旧龍山村雲折地内でした。同30年頃には、旧山香村地内、同40年には佐久間・浦川、水窪・熊・上阿多古・二俣・光明など、天竜川流域におよぶ。(「静岡県木材史」より)
以前、「さくま郷土遺産保存館」に掲げられていたた「木馬」の解説です。
1枚目は、「さくま郷土遺産保存館」に展示されていた写真。2枚目は西渡で入手したものです。森林鉄道やトラック、架線など機械が何もなかった時代、木を山から出す方法として木馬は北遠の各地で見られた搬出道具です。
今でも北遠の山で、木馬が曳かれた専用の木馬道と思われる道を見ることがあります。もしかしたら、木材を満載した木馬が木と木の擦れ合う音を響かせてやって来るのではないかと、しばし佇むこともあります。本物の木馬が曳かれる情景を見てみたいものです。