天保6年(1835)に棟上げされたという現在の岡部宿「柏屋」は、県道81号(旧国道1号・元は旧東海道)の拡幅の時、建物を奥にずらしたそうです。
その証拠とも言えるのが、三和土(たたき)土間の奥にある井戸。井戸はもちろん建物の外にあったのですが、1間以上ずらされたため、内に入ってしまったということです。
弥次さん喜多さんが話を弾ませている奥には、約1尺角の欅の柱がありました。
これは、一見大黒柱のように見えますが、2階までの通し柱にはなっていませんので、棟持柱の役目を果たしてはいません。家格の象徴の意味では大黒柱なのですが、家を支えるという意味では大黒柱とは言えないかも知れません。