岡部宿「柏屋」の中へは大戸(おおど)をくぐって入ります。この大戸は「吊大戸」と呼ばれる扉で、大戸全体を内側に引き上げ、天井に設けられた留め金で吊るされるもの。
・・・と言っても、朝に引き上げられて、夕方に閉じられますので、私が訪れた時には大戸は私の頭の上。特別に声をかけていただき、大戸が閉じられたところがこの写真。閉じられた後は、大戸の下半分に設けられた障子の潜戸(くぐりど)が出入口になります。
通りに面した障子戸は、上下が分かれた蔀戸(しとみど)。座敷などで使われる引違の遣戸(やりど)と比べるとずい分幅が広く、いざ開く時には、障子部分を引き下げます。暑い夏、さらに開放部を広くしたい時には腰板に当たる部分も取り外すことができます。