根杢(ねもく)と呼ばれる斑のような複雑な木目は、廊下の天井板でも見ることができます。
不思議なのは、その天井板の形。普通だったら長方形の板を張るところですが、「竹の丸」貴賓室の外側では、1枚1枚が台形なのです。
もちろん、台形であっても、互い違いに順序良く張っていけば、長い廊下の天井を長方形に仕上げることができるのは分かります。しかし、台形にすることにより、目の錯覚に陥り、天井が右に左に凸凹しているように見えてしまいます。
もちろん、それが細工の狙い。こうすることにより、ついつい天井を見上げることになり、そこに趣のある根杢の木目を見つけるのです。
足元に目をやれば、廊下板は4枚の板を合わせた正方形のブロックを互い違いの市松に張る寄木張り。板目模様が美しく見えます。