「竹の丸」旧松本家住宅を訪ねて③―ステンドグラス

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2018年02月10日 05:49

 「竹の丸」旧松本家住宅の離れは元々は平屋建。大正9年(1920)頃、2階建てに改築されたとされ、2階の貴賓室には、当時のモダニズムを象徴するようなステンドグラスの装飾が見られます。

 日本でステンドグラスによる装飾が盛んになったのは、洋風建築が普及し始めた大正期。「竹の丸」の改装時期と一致しています。意匠はオウムのようなカラフルな鳥と花。今では「掛川花鳥園」に行けばいつでも見られるオウムですが、当時は見たことがない鳥のはず。






 今では「竹の丸」のすぐそばにオープンした「ステンドグラス美術館」に行けば、間近に見ることができるステンドグラスだって、当時は遠い西洋の教会を飾っている馴染みのない装飾。

 掛川の財界を代表する有力者であった松本家の離れは、伝統を重んじるとともに、新しい時代を先取りすることも忘れず、邸宅の名にふさわしい和洋折衷の建物へと改装されたものです。

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