掛川城二ノ丸御殿の鬼瓦や蛙股、本瓦葺きの軒瓦に浮き上がって見えるのは、「丸に桔梗」紋。つまり掛川城主の太田氏の家紋です。
掛川藩を支配していたのは、今川氏が衰退し、徳川家康が江戸幕府を開いてからは、石川氏、太田氏、松平氏、朝倉氏・・・。そして、最後の藩主となったのが太田氏でした。
摂津源氏の流れを汲む太田氏で有名なのは、江戸城を築いたことで知られる太田道灌。道灌の家紋は、「丸に桔梗」をアレンジした「丸に細桔梗」紋を使ったのですが、「太田桔梗」と呼ばれる家紋は、それよりも少しだけ丸みを帯びた花弁となっています。
そこで、再度、掛川城二ノ丸御殿の屋根を見上げれば、鬼瓦の家紋は「丸に桔梗」、軒瓦や蛙股は「太田桔梗」と少し違っているようです。