「松ヶ岡」旧山崎家住宅の主屋北側廊下は、改修によって追加されたらしく、天井は張られず梁が剥き出しになっています。
梁に使われているヒノキ(松かも知れません)は敢えて曲がったものが選ばれ、むしろ自然の曲がりを生かしているようです。
この部分の屋根は傾斜していますので、屋根裏を支える垂木は斜めに張られています。梁は屋根の傾斜に自然の曲がりを生かし、軒桁と梁との接合には「兜蟻掛け(かぶとありがけ)」と呼ばれる堅固な技法が使われています。
この「兜蟻掛け」は、掛塚の旧廻船問屋津倉家住宅でも見られる技法。天井を張ってしまえば見えなくなる「兜蟻掛け」ですが、自然な曲がりが風情を感じさせる小屋組みの構造です。