少し離れた位置に立ち、松本医院の屋根を見上げてみると、洋風の飾り瓦が立ち上がっているのが分かります。松本医院の屋根瓦は洋瓦ではなく和瓦ですが、この丸い玉のような瓦だけは西洋風に見えます。
一見すると、寺のお堂などの頂部に設置されている宝珠瓦にも似ていますが、これは明治時代になって擬洋風建築の棟飾として作られた「立物」と呼ばれている飾り瓦の一種。
明治33年(1900)に開業した松本医院。明治に入って一般化した西洋医学に基づく先端医院であることを印象付ける飾り瓦だったに違いありません。
横須賀ではもう1軒、先の尖った「立物」も見かけました。