横須賀にある酒蔵は「山中酒造」。歴史を遡れば、近江商人であった山中正吉が現在の富士宮市で酒造業を始めたのは文政年間(1818~1831)。その後、横須賀にも蔵を構え、昭和4年(1929)に山中正吉商店から分家・独立し、「葵天下」の醸造生産を始めたのは昭和60年代とのこと。
2代目となる現社長が天下をとるために名付けたという酒銘「葵天下」を世に送り出したのですが、「葵天下」と言えば徳川と武田の両軍による高天神城をめぐる攻防戦。「高天神を制するものは遠州を制する」と言われた戦いに勝利し、徳川の天下、つまり「葵天下」となり江戸幕府が開かれた郷土ゆかりの歴史に因んで名付けられた、とする説もあるようです。