東三河の洋風建築①―旧鳳来町消防団第7分団第2部屯所

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2017年09月05日 05:59

 乳岩峡からの帰り道で出会った洋風建築。新城市川合地区に残された「旧鳳来町消防団第7分団第2部屯所」ですが、山間の雰囲気とはまったく違ったハイカラな建物です。

新城市指定文化財
(有形民俗文化財)旧鳳来町消防団第7分団第2部屯所
              平成13年6月8日指定
(説明)
 この建物は、大正10年代の建築とみられており、消防団の屯所として建てられ、宇連ダム建設の時(昭和33年竣工)に、警察官駐在所としても使われたという。

 間口3間(5.4m)奥行き2間(3.6m)の木造総2階建て、外壁は白い横板を張ったものであり、屋根はかわらぶきで、屋根上に望楼がついている。

 洋風のこの建築様式は「コロニアルスタイル」と呼ばれ、17~18世紀にアメリカで成立した簡単な木造建築である。日本では、明治時代北海道開拓の時にアメリカから来日した技術者により伝わった。昭和初期まで役場、郵便局、医院などがこの様式で多く建てられた。

 山村においてもこのような建物が建てられたことは、このコロニアルスタイルが全国の隅々まで普及したことを示す貴重な例であり、奥三河地方における数少ない洋風建築として歴史的な価値が高い。


 日本で見られる「コロニアルスタイル」の代表的な建築は、長崎の「グラーバー邸」。決して大きな建物ではありませんが、東三河の山間地に残された貴重な近代化遺産です。

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