目薬岩洞窟からさらに1段下がったところに、乳岩洞窟へと上がる鉄階段が掛けられています。この階段を上がった先の乳岩洞窟は奥に深くはありませんが、横に弧を描くように広く開かれ、乳岩山の南面にあるいくつかの洞窟の中で最大のもの。
そこにはやはり観音菩薩を刻んだ石仏がずらりと並べられているのは、山岳修験者の手によるもの。
修験道とは、神霊が宿ると考えられた磐座(いわくら)を信仰の対象とした山岳信仰と仏教とが習合し、さらには密教などの要素も加わって確立した日本独特の宗教。深い山に籠って修行を積むことにより、この世の真理、自然の摂理を知ることにつながると考えられています。
私にとって悟りの境地はほど遠いものですが、乳岩洞窟から見える景色は足がすくむ絶景です。