「天宮神社の竹柏(なぎ)」を見上げた後、裏山にある奥社を訪ねました。
奥社までは歩いて5分ほど。小高い山の上に小さな社が建ち、祭神として天宮神社大神と山の神である大山衹神(おおやまつみのかみ)の名が表示されています。
奥社から見下ろす裏手の窪みには水が貯まり、ここが「くちなし池」と呼ばれる場所。
解説看板によれば「その名前は出入口のない池のため口無し池という説。また、水神様が祀られておりそのお使い役が蛇でその形から蛇のことを朽ち縄と言われ、それをくちなしともじった言い方になった、という説があります。なおこの池は巨人足跡説のだいだらぼっちの足跡であるとも言われています。」とされている通り、この池の水は沢から流れ込んでいる様子はなく、おそらく池底から浸み出していると思われます。
池の畔には、その名も池畔社の祠が建てられ、祭神は天宮神社大神と水波能売神(みずはのめのかみ)。水波能売神は井戸の神であり、雨の神。
昔の人々が神を祀ったのは自然に感謝し、自然を畏れてのこと。天宮神社のご神体として素朴な気持ちで崇めて来たのは、水の湧く池と神社北側に続く豊かな森林だったのではないでしょうか?
天宮神社境内には、「くちなし池」とは関係ないのかも知れませんが、クチナシの花が咲いていました。