さて、高根神社拝殿を拝んだだけで帰るわけにはいきません。高根山の山頂近くには、高根神社本殿とその守護神とされる岩本神社が祀られているはずです。
しかし、2社が鎮座するのは、岩だらけの急な道の上。鎖の手すりを頼りに登りますが、足元を見ていないと踏み外してしまいそう。
慎重に歩を進め上を見ると、小さな社が2つ。あれだ!
解説看板によれば「向かって右が髙根神社の本殿、左が岩本神社で、髙根神社の守護神とされています」とのこと。「その名の示す様に、古の巨石信仰の名残りと思われます」とも。高根神社の本殿を背後から見守る岩山神社の祭神、岩本大神は岩本坊大天狗とも言われ、高根山の主として扱われているようです。
巨石信仰は、磐座(いわくら)信仰とも呼ばれる古来の自然崇拝の一種。高根山の岩を神様の依り代と考えたとすれば、本殿が拝殿の裏でなくてこの巨石が乱立する山頂付近に鎮座したままというのが本来の形。
とかくお参りしやすい場所に拝殿が建てられると、本殿もその後ろに建てられ、ご神体が忘れられてしまうことが多いようです。利便性と信仰とは、もっとも対極にあるべきものと考えますが、いかがでしょうか?