高根神社の鎮座地の標高は約110メートル。鳥居からは40メートルほどジグザグに登ることになりますが、その途中の参道脇、岩室の中に祀られているのが蚕養(こかい)神社です。
社脇の看板によれば、祭神の稚産霊神(わくむずびのかみ)とは、「『古事記』や『日本書紀』によりますと、豊受大神(伊勢の外宮の祭神)の親で、蚕や桑の他に五穀の生みの神とされています。そのため昔から養蚕農家や関係者から深く崇敬され、初午の日には近隣の村々から大勢の方が参拝され・・・」とのこと。
かつての浜北と言えば木綿栽培、綿織物の主産地として知られていますが、戦国時代以前に遡ればやはり養蚕、絹織物が中心だったことが分かります。
また、「此の上の拝殿にある玉石と、山にある羊歯を頂いて帰り、次にお参りする時には玉石を倍にしてお返しするのが風習でした」とも書かれています。拝殿に行けば、そのヒントが得られるはずです。