玄関をくぐると、正面に「五榜(ごぼう)の掲示」の高札が掲出されています。
定
一 人たるもの五倫乃道を正しくすへき事
一 鰥寡孤獨癈疾のものを憫むへき事
一 人を殺し家を焼き財を盗む等乃惡業あるましく事
慶應四年三月 太政官
右記 仰出趣堅可守るもの也 濱松縣
「五榜の掲示」とは、慶応4年3月15日(西暦1868年4月7日)「五箇条の御誓文」発布の翌日に明治政府が民衆に対して出した5枚の高札。掲出されているのは、その第一札「五倫道徳遵守」です。
ただし、「濱松縣」の発足は明治4年(1871)11月15日でしたから、この高札が掲出されたのはそれ以降のはず。
その横に立つ太いケヤキ柱が、旧田代家の大黒柱。旧田代家住宅が建てられたのは安政6年(1859)でしたが、わずか9年後には、新政府によって「五榜の掲示」の高札が立てられ、時代は江戸から明治へと変わりました。