東海道・由比宿を歩く⑲―伊豆石の蔵
掛塚では珍しくもない伊豆石の蔵ですが、どこででも見られるというものではありません。掛塚で見られる蔵や塀に使われている伊豆石は、帆船の安定を保つバラストとして船底に積まれて来たもの。港町ならではの建築材として掛塚文化の象徴の1つとなっています。
そして、由比も同じ港町。数棟の伊豆石の蔵を確認することができました。
「伊豆石」とは岩石の種類ではなくて産出地の名を冠したブランド名。一括りに伊豆石と言っても、安山岩系の硬石と凝灰岩系の軟石とがあります。
建築には軟らかい伊豆石が使われている例が多いし、目に止めやすいのですが、伊豆石は蔵の他に、建物の基礎部に使われている例も見られましたので、よく探してみれば、さらに多くの伊豆石があったかも知れません。
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