氷見・高岡へ万葉の旅⑨―和洋折衷

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2019年12月13日 05:15

 土蔵造り住宅と聞くと、白漆喰にしても黒漆喰にしても、「和」にこだわった伝統的な工法、意匠が連想されてしまいがちかも知れません。しかし、富山県令第51号「建物制限規則」により土蔵造りなどの耐火構造が義務づけられたのは明治33年(1900)の大火後でしたので、日本にはすでに「ハイカラ=high collar」に代表される西洋建築の生活様式が浸透していました。

 それを感じさせてくれるのは、白漆喰の壁を飾る鏝絵。2階窓の上に見られる飾りは北前船のようではありますが、上のアーチや左右の柱を模したデザインは、明らかに西洋風。

 正面と側面との角には、ギリシャ、コリント様式に見られるアカンサスの模様を施した柱のような飾りも。「雪割り瓦」の連なる棟の両端には、これも西洋風の「立物」と呼ばれる瓦で飾られるなど、高岡の山町筋は印象に残る和洋折衷の町並みでした。

 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅①―高速バス
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅②―冷たい雨
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅③―砺波の散村
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅④―高岡大仏
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑤―土蔵造りの町並み
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑥―菅野家住宅
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑦―筏井家住宅
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑧―屋根を見上げる
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑩―万葉線
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑪―堅香子草
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑫―瑞龍寺
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑬―総門の加賀梅鉢紋
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑭―山門
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑮―仏殿
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑯―法堂
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑰―回廊と高廊下
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑱―烏蒭沙摩明王、韋駄天と跋陀婆羅菩薩
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑲―虹
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑳―前田利長墓所
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉑―勝興寺唐門
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉒―雪避けの工夫
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉓―本堂
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉔―「海行かば」の碑
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉕―大伴家持卿像
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉖―旧伏木測候所庁舎
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉗―同窓会
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉘―朝日に輝く富山湾
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉙―万葉歴史館
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉚―帰り路

 【関連記事】遠州横須賀の町歩き⑳―飾り瓦の「立物」

関連記事