梅雨晴れの獅子ヶ鼻公園を歩く③―ヌルデハイボケフシ
獅子、虎、豹、猫―さらに獅子ヶ鼻の名にちなんだ話題を続けようと思ったのですが、そうは続きません。今回は虫こぶ(ゴール)の話題です。
葉軸に翼があるのはウルシ科ヌルデ属のヌルデ。樹液は漆(うるし)などと同じように塗料として使われた有用木です。ヌルデの葉にはいぼ状の突起がびっしり。これは、ヌルデフシダニによって作られた虫こぶ。
以前、かぶれに注意しながら杖で葉の奥を探った時に、奇妙な形をした虫こぶを見つけたことがありました。
これは、ヌルデシロアブラムシの虫こぶのヌルデハイボケフシ。この虫こぶを五倍子(ごばいし)あるいは付子(ふし)と呼び、お歯黒や白髪染めの色素原料として利用していたというから驚きです。
かぶれやすい樹液を利用するだけでも大したもんだと思うのですが、虫こぶまで使うとは、頭が下がります。
関連記事