「民俗の宝庫」水窪を訪ねて⑩―山犬様と毘沙門天尊
「ナリ木責め」の風習について知りたいと思い訪れた大野の水元さんのお宅の床の間には、山住神社の護符が貼られ、軸が架けられていました。
山犬の描かれた護符は、毎年更新されるために新しいのですが、軸はすっかり黄ばんでいます。午前中に山住神社で見た軸には1頭しか描かれていませんでしたが、2頭描かれている軸はかなり古いもの。今でもしっかりと水元家を守っているようです。
屋敷外の土蔵の扉には、「毘沙門天尊」の護符が貼られていました。毘沙門天は「多聞天」とも呼ばれる武神。四天王の1人として仏法を守護しています。
と同時に、北方の守護神として屋敷の北側に貼られるのが「毘沙門天尊」の護符。この蔵は、東向き斜面に立つ屋敷の北側にあるため、人々に害をおよぼす邪鬼を踏まえて立っているのです。
水元さんは「だんだん、祀りごとをやらなくなって来たよ」とは言っていましたが、水窪の神様は今でも私たちのすぐそばにいるようです。
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