瀬尻森林鉄道について②―大嶺に残るインクラインの遺構
浜松市天竜区役所振興課発行「天竜 歴史街道」にも紹介されている「瀬尻森林鉄道」―龍山の山中を走り木材を運搬、天竜の林業を支えた森林鉄道の遺構を探すのは、思いの外難しいようです。
それでも、きっと何か残っているはずと探していたところ、龍山町大峯(おおみね)で、こんなコンクリートの遺構を見つけることができました。これは何?森林鉄道に関するもの?
昭和38年(1963)に廃止された「瀬尻森林鉄道」新開線の終着点はここ大峯。ここから、天竜川までの238メートルは、インクラインと呼ばれる線路が敷設され、傾斜を利用してトロリーを川まで降ろしていました。
実は、写真はインクライン施設の遺構だったのです。見下ろせば、天竜川は遥か下。このコンクリートステージから、丸太を積んだトロリーが、川端までの急勾配を一気に下って行ったのでしょうか?
トロリーとは、ケーブルカー式の手押貨車。森林鉄道とは言え、大正9年(1920)旧・龍川村に軌道が敷設された頃には、余り利用されない人車鉄道だったようです。
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