舞坂宿「往還通り」を歩く⑭―赤錆びた錨
舞坂宿で見かけた赤錆びた錨―何気なしに見ると、どれも2本爪のものばかり。さらに見れば、いずれもストックと呼ばれる棒を爪の方向と直角に取り付けて爪がしっかりと海底に刺さる工夫がされ、主に洋式帆船に使われて来た形です。
それに対し、掛塚にある竜洋郷土資料館で見られる錨は、江戸時代の千石船などの和船特有の4本爪の錨。「碇」の字を使うのは古代に使われた石製のイカリにルーツを持つと言われていますが、古来の4本爪のイカリには「錨」ではなく「碇」を使ったとする説もあるようです。
舞阪も掛塚も、どちらも湊町の歴史を持つ地域ですが、主に漁港と渡船で栄えた舞阪と、大型の廻船、商船が中心だった掛塚とでは、錨の形も違っていたようです。
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