建築家・中村與資平が設計した建物⑥―静岡県庁本館
静岡県庁本館が建てられたのは昭和12年(1937)。鉄筋コンクリート造上4階建(一部5階建)のビルに瓦屋根を載せた帝冠様式と呼ばれる建築で、上から見ると日の形になっているとのこと。
帝冠様式とは昭和初期ナショナリズムの台頭を背景として登場した建築様式で、近代主義建築に対抗して主張された日本趣味の造型が採り入れられているのだそうです。
先に建てられた静岡市役所本館と比較するとデザインに遊びがなく、直線的な外観。軍靴の響きが近づき、遊びを良しとしない時代の考えが建築設計にまで入り込み、不自然な硬さを感じさせる国登録有形文化財でした。
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