建築家・中村與資平が設計した建物⑤―静岡市役所本館
静岡市追手町に静岡市役所本館が建設されたのは昭和9年(1934)。昭和15年(1940)の静岡大火、同20年の静岡大空襲にも耐え、現在も経ち続けています。
「静岡県のすごい産業遺産Ⅱ」によれば・・・
静岡市庁舎本館の建築スタイルは、当初、近世復興式という設計条件でしたが、建築家中村與資平の提案によりスペイン風の近代様式になりました。象牙色のタイルに包まれ、随所に白色の装飾を施す優美で繊細な外観が、塔を浮かび上がらせています。大きな壁面に連続して開かれる窓も、3階部分をアーチに造ることで、リズミカルな仕上がりになっています。
塔頂を飾る半球の青いドームは「あおい塔」として、今も静岡市のシンボル。やはり、中村與資平が設計した静岡県庁本館と向かい合い、建築当時の思い出を話しているかのようでした。
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