遠州灘海岸で見られる初夏を代表する花はトベラ。遠州灘海岸の防砂林には、塩害に強い樹木として背が高くなるクロマツと根元を塞ぐ低木のトベラとが植えられました。
トベラの葉には艶があり、いかにも潮風・乾燥に強い雰囲気。しかし、その臭いは独特で、地方によっては「節分」にトベラの枝を玄関に掲げ、鬼を祓う風習があるほどです。
白色の花と黄色の花を、同じ枝に咲かせているのはスイカズラ。同じ枝に黄色と白?実は、咲き始めは白色の花が、次第に黄色に変わっているのです。
花を口にくわえて蜜を吸ったことから、「吸い葛」と呼ばれるようになりました。かつては砂糖の代わり使われたそうです。そんなことをしたのは日本だけかと思ったら、英語でも「Honeysuckle」。洋の東西を問わず、共通の名前でした。
別名「忍冬(ニンドウ)」と呼ぶのは、冬になっても落葉しないことから。もう1つの別名「金銀花」とは、この2色の花に由来する名前。生薬としても利用され、解熱、解毒、発熱等に効き目があるそうです。