天浜線の登録有形文化財①―扇形車庫と機関車転車台

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2018年02月24日 05:46

 マニアの間で大人気の天竜浜名湖鉄道(天浜線)「天竜二俣」駅。天浜線の主要施設36件が国の登録有形文化財(建造物)に登録され、そのうちの多くが「天竜二俣」駅とその周辺にあります。

 鉄道施設が一括で登録されたのは、鳥取県の「若桜鉄道」、群馬、栃木県境を走る「わたらせ渓谷鉄道」に次いで全国3例目。登録施設のほとんどは、70年前の旧国鉄二俣線開通当時のまま保存活用されています。

 文化庁が開設している「文化遺産オンライン」によれば・・・

 【扇形車庫】転車台とセットとなる。当初は6線分であったが,転車台から見て右側の2線分が切り縮められているが、他は主として車両の留置に用いられている。総木造で,庫内に下る柱を少なくするために力強い架構をもつ。現在では数少ない現役扇形庫の好例である。

 【機関車転車台】扇形車庫の手前に位置する。全体の直径は約18.4m、下路式の当時では標準的な転車台で、中央に門型の鉄柱を建て、運転室とともに360度回転する。天竜運転区の核となる施設で、扇形車庫とともに天竜浜名湖鉄道のシンボルとなっている。


 「転車台」とは、車両の向きを進行方向に向けるために用いられる設備。蒸気機関車は運転台が一方向にしかなく、終着駅では進行方向に向きを変えなくてはいけません。そこで必要になるのが「転車台(ターンテーブル)」です。

 最近では電気機関車やディーゼル機関車等の増加により、前後に運転席が設けられ、「転車台」の必要がなくなり、撤去されるケースも多くなりました。転車台、扇形車庫が現役で活躍している姿を見られるのは、全国でもごくわずかです。

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