本興寺本堂裏にコバギボウシが咲いていました。
「ギボウシ」の名は、花の蕾の形が橋の欄干に付けられる飾りの「擬宝珠(ギボウシ)」に似ていることに由来していますが、「擬宝珠」とは仏塔の先端に見られる「宝珠」に似ているという意味。
本堂裏にコバギボウシが咲いているのには、そんな意味が込められているのかも知れません。
本堂横にある池は「放生池(ほうじょうち)」と呼ばれています。「放生池」とは、殺生を戒める宗教儀式「放生会(ほうじょうえ)」の日に、捕らえた魚類などを放してやるための池。そんな池に、コウホネの黄色い花が咲いていました。
仏教では、泥水の中で成長し清浄な美しい花を咲かせるハスの姿が、仏の智慧や慈悲の象徴とされていますが、その点ではスイレンやコウホネも同じこと。本興寺のコウホネにも、同様の意味があるのだろうと思います。
ハスやスイレンと比べると派手さはありませんが、コウホネは全国28都府県で「絶滅危惧種」の希少種です。