普段、大拝殿に入ることができるのは婚礼や祈禱の時だけ。今回、特別参拝に参加し天井絵を間近に眺める機会に恵まれたのは願ってもない幸運です。
どこから見ても睨み返されるという「四方睨みの龍」は狩野寛信(かのうのぶなが)、「迦陵頻伽(かりょうびんが)」は狩野栄信(かのうながのぶ)が描いた絵。
大拝殿は132畳の広さ。天井までの高さは25メートルありますので、格天井(ごうてんじょう)の格子の広さは、小さく見えるもので4畳半、広い所では6畳もあり、これほど大きな天井絵は滅多に見ることありません。
琵琶を弾きながら空を舞う「迦陵頻伽」は上半身が人で、下半身が鳥の想像上の生き物。極楽浄土に住むと言われ、仏教の教えを伝えるための絵柄。つまり、神部神社・浅間神社も元はと言えば神仏習合に基づいていたということを示しています。