三信鉄道、後の国鉄飯田線が、佐久間ダム建設により「豊根口駅(旧停留場)―天龍山室駅―白神駅(旧停留所)」間が廃止され、現在の経路に付け替えられたのは、皆さんもご存知の通り。かつての駅は、佐久間ダム湖の底に沈み、佐久間村の山室、水窪町の白神(しらなみ)の集落はともに廃村となりました。
現在では見ることができない風景が「三信鉄道記念寫眞帖」に掲載された「白神停留所ヨリ北方ヲ望ム」。トンネルから出て来た電車は天竜川を見下ろす白神駅のホームへと入って来ます。
開業は昭和11年(1936)12月29日。三信鉄道の白神停留場として開業したのですが、戦時買収により国有化され、「寫眞帖」が発行された昭和18年(1943)8月1日からは国鉄飯田線の白神駅へと昇格しました。
「白神停留所ヨリ北方ヲ望ム」と次に到着するのは、現在も残る大嵐(おおぞれ)駅。水窪町にある駅なのですが、実際には愛知県の豊根村富山地区(旧富山村)への玄関駅として利用されています。