岐阜県美濃市「うだつの町」を訪ねる⑥―防火用水路と半鐘
そもそも、「うだつのあがる町並み」として保存されている地域は、長良川より1段高い場所。つまり、水害から逃れることはできるのですが、逆に言えば、いざ火災が発生した場合には、消火に欠かせない水源が必要です。では、水が少ない町だからこそ、火災を出さない、類焼を防ぐための対策は・・・?
そのための対策として考えられたのが、袖壁の「うだつ」。その他の対策として、北部の山裾に貯水池を造成し、町中へと水を流す防火用水路「番水(ばんすい)」が整備され、一番町通り、二番町通りに張り巡らされているのだそうです。玄関先に配置された消化器は、もちろん地域防火のため。
通りの両側に側溝が設置され、これが下水路だとすれば、地下に下水道を埋設すればいいはず。側溝の脇には消火器だけでなく、ホース格納庫が設置され、ポケットパークには防火水槽のようなものもありましたので、これも防火設備と思われます。
そして、軒下に半鐘を吊した家も。今でも、火災発生の時に鳴らされるのかどうかは不明ですが、少なくとも防火意識を高めるのには役立っていると思われます。
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