春野町堀之内の瑞雲院を訪ねる⑥―鐘楼堂
瑞雲院の鐘楼堂は、弁柄(べんがら=紅殻)塗りの赤い鐘楼。西面には唐破風造りの厨子がしつらわれ、棟札の墨書によれば、宝暦2年(1752)の建築の袴腰付入母屋造りの2階建て。旧春野町の有形文化財に指定されています。
梵鐘は、戦時中の供出を免れることができず、昭和31年に新鋳されたもの。2階の床に対して、鐘楼の位置が低いため、立ち上がると撞木の位置は腰の辺り。見上げるようにして鐘を衝くテレビなどで見る「除夜の鐘」の様子とは、ちょっと違っています。
以前、鐘楼の周り落ち葉掃除をしていた檀家の人たちに聞いてみたところ、膝の高さの撞木を吊り下げた綱を引いてゴーンと撞くのだそうです。「頭の上の撞木で突くよりも、撞きやすいと思うよ」との返事。
瑞雲院の鐘楼堂は、浜松市の有形文化財。厨子を覗いてみると、烏蒭沙摩明王(うすさまみょうおう)像が。
瑞龍寺の烏蒭沙摩明王
可睡斎の烏蒭沙摩明王
袋井市の可睡斎、富山県高岡市の瑞龍寺では東司(とうす=トイレ)の守護神、「トイレの神様」として人気を集めていますが、瑞雲院ではどうでしょう?
烏蒭沙摩明王も、瑞雲院が真言宗の寺だった時代の名残りかも知れません。
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