浜の伝統、背負い納め 浜松・佐久間
かつて天竜川の「港町」として栄えた浜松市天竜区佐久間町大井の歴史にちなんだ浜背負(はましょ)い祭り(中日新聞東海本社後援)が17日、地区内の西渡商店街であった。住民の高齢化による担い手不足などで今秋の13回目が最後になり、住民から惜しむ声が聞かれた。
地区には旧久根鉱山が栄えた明治ごろから昭和前期まで天竜川を往来する船の渡し場があり、「浜」と呼ばれた。採掘や林業に携わる男性に代わり、女性が陸揚げされた塩やみそなどの物資を背負い、坂を上り荷継ぎ場へ運ぶ姿が「浜背負い」と呼ばれた。
往時を再現する行列に住民ら60人が参加。馬と荷車を先頭に、かすりの着物とわら草履姿の女性が背負子(しょいこ)を担いで歩いた。過疎化で多くの店が閉店し、いつもは静かな商店街も、この日は住民や見物客でにぎわった。毎回参加した地元の中尾チズ子さん(80)は「にぎわうことはめったにないが、お祭りでは皆が集まって楽しめた。(なくなると)さびしくなる」と残念がった。
祭りは先人の苦労をしのび、地区の歴史を発信して集客につなげようと、1995年から隔年で開催してきた。初代と最後の実行委員長を務めた水本作一さん(80)は「過疎と高齢化で続けられなくなったが、本当にさびしい。いつか違う名前でも復活できれば」と話した。(「中日新聞」より)
「浜背負い祭り」は昨日開催された第13回が最終回。あんなに大勢の人が集まり盛り上がったのに。いやいや、今回は「最終回」ではなくて「卒業式」。地域のふれあいの祭りは、これからも続けて行ってください!
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