それは、私が旧津倉家のガイドをしていた時のこと。2階の窓から砂町の角が賑やかになっているのが見えました。そして、神幸行列を先導する天狗面を付けた「竹馬」が、「バレン」と呼ばれる太くて重い竹を路面に叩き付ける音が聞こえました。
2階から神輿を見下ろしてはいけません。「ゴメンナサイ!」と見学客に断りを入れ、外へと駆け出したのですが、神輿渡御の辻を祓い浄めた「竹馬」はすでに走り去った後。待っていたら、御神体を乗せた神輿や神楽箱が続き、行列は蟹町にある御仮宮へと向かって行きました。
これが、貴船神社例祭の神事。「掛塚まつり」は、掛塚湊の氏神として海上の安全を祈った貴船神社の祭礼なのです。