平和口から仙戸まで歩く⑤―廃村の石積みと半鐘台

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2019年01月22日 05:50

 出発してから1時間20分が過ぎ、沢に架かる橋の向こうに、山の石を積み重ねた段々が見えて来ました。路上にもガラス瓶や陶器の欠片が散らばり、人々が暮らした痕跡を散見することができます。

 この辺りも、先と同じく平和(ひらわ)と呼ばれた集落跡。近くにある上平山や下平山同様、決して平坦な地ではなく、石積みによって築かれた段々には、家の敷地としてだけではなく耕作地としても利用されていたと思います。

 杉林の間から見える石積みの上には、赤く塗られた半鐘台が立っています。

 この集落内で火事があったかどうかは知りませんが、もしも火事が発生したとしても、消防自動車はもちろん、消防隊が駆け付けられる場所でもありません。

 道の脇には「火気に注意」「歩行中禁煙」のホーロー看板もあるにはありましたが、おそらく、住民たちにとっては言われるまでもないこと。文字通り「平和(へいわ)」な集落だったのだと思います。

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