平和口から仙戸まで歩く④―盃状穴や石英
「平和(ひらわ)には鉱山ってなかったの?」と尋ねたところ、「平和にゃあなかったね。仙戸(せんど)とか、ここ、大井の橋のちょっと上にゃああったよね」。
北遠の有名な鉱山と言えば、久根や峰之沢とその支山であった名合、鮎釣などの地名が頭に浮かびますが、地質図を見れば周辺の山々はほぼ同じ「緑色片岩および緑色千枚岩」とされています。
平和の山道を歩くと、山全体が緑色千枚岩で形作られているようです。久根や峰之沢の含銅硫化鉄鉱鉱床は、この緑色千枚岩に含まれているのですから、この山にも鉱床があったとしても不思議ではありません。
「静岡県地名大辞典・角川書店」の「大井」の字名の中には「芋洗沢」「金ホリバ」など、鉱山ゆかりと思われる名が登場しています。
緑色片岩、緑色千枚岩に出来た盃状の窪みと言えば思い出すのは、すぐ隣りの明光寺峠にある「子生石(こうみたわ)」。自然が作った盃状穴です。
また、路上には真っ白な石英が転がっているのも気になりました。
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