遠信国境・青崩峠を歩く⑰―熊伏山

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2018年10月15日 05:18

 中央構造線の断層谷(ケルンコル)ビューポイントから降りて来ると、「これより約二時間登れば 熊伏山頂(一六五三米)に達します」の看板が目に入りました。

 今回は熊伏山には登りませんでしたが、2011年6月に登った時にタイムスリップし、レポートさせていただきます。熊伏山(1,653メートル)があるのは長野県下伊那郡天龍村。その時の山頂までの所要時間は1時間20分でしたので、「約二時間」よりもかなり早かったことになります。

 中央構造線の北側は、領家変成帯(内帯)と呼ばれています。この「領家」とは水窪の「奥領家」の地名を取って名付けられたもの。登り始めてしばらくは、砕かれた青石、緑色片岩が散らばっていましたが、その先には白っぽい石が。三波川変成帯(外帯)の緑色片岩や蛇紋岩を見慣れた私たちにとっては、白っぽい石が多い熊伏山の登山道はちょっと変わって見えます。

 足元に転がる白っぽい石は、高温低圧型の変成を受けた花崗岩や片麻岩。私が登った竜頭山、麻布山、岩嶽山、竜馬ヶ岳はすべて内帯の山でしたので、熊伏山の白っぽい石は、ここが確かに中央構造線の外帯に聳えていることを示していたのです。

 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く①―フジアザミ
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く②―さば地蔵?やまめ地蔵?
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く③―2012年冬の「足神様の氷壁」
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く④―足神神社
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑤―「足神様の銘水」
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑥―瑟平太郎の墓
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑦―「木地屋の墓」と栃の巨木
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑧―アケボノソウと野生のホオズキ
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑨―青崩峠口で咲く金木犀
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑩―石畳が続く古道
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑪―武田信玄公腰掛岩
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑫―青く崩れた破砕帯
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑬―断層谷
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑭―石仏群
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑮―歌碑
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑯―「青崩峠」の標識
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑱―「一等三角點」
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑲―枯れたスズタケ
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑳―雪景色
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く㉑―古地図に描かれた「青崩峠」

関連記事