遠信国境・青崩峠を歩く⑯―「青崩峠」の標識

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2018年10月14日 04:37

 水窪の「青崩峠」―日本列島を東西に走る中央構造線が南北に向きを変える場所。北側の領家帯には、花崗岩や片麻岩などの白っぽい石が多く、高温低圧型の変成帯であり地下10キロ程度の深さでできたと推定されています。

 これに対して、南側の三波川帯は低温高圧型の変成帯であり、地下30キロ程度の深さでできたと推定されている緑色の緑色片岩が多く、「片理」と呼ばれる、面状構造を持っていますので、板状にはがれやすく脆い石です。

 「白亜紀」には離れて存在していたはずの2つの変成帯が、中央構造線の活動により大きくずれて接するようになり、「青崩峠」で見られる破砕帯とは、岩盤が割れてずれる時の圧力によって砕かれた緑色片岩の層というわけです。

 まあ、とにかく、「青崩峠」に立つ「静岡県指定史跡」の標識は、緑と白の2色の石で黒の石を挟んだデザイン。多分、色違いの花崗岩を使用しているのだと思いますが、2つの変成帯と中央構造線を表わしているのでしょう。

 ちなみに、「領家帯」の「領家」とは、水窪の地名に由来する名称です。

 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く①―フジアザミ
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く②―さば地蔵?やまめ地蔵?
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く③―2012年冬の「足神様の氷壁」
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く④―足神神社
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑤―「足神様の銘水」
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑥―瑟平太郎の墓
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑦―「木地屋の墓」と栃の巨木
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑧―アケボノソウと野生のホオズキ
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑨―青崩峠口で咲く金木犀
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑩―石畳が続く古道
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑪―武田信玄公腰掛岩
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑫―青く崩れた破砕帯
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑬―断層谷
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑭―石仏群
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑮―歌碑
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑰―熊伏山
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑱―「一等三角點」
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑲―枯れたスズタケ
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑳―雪景色
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く㉑―古地図に描かれた「青崩峠」

関連記事