遠信国境・青崩峠を歩く⑩―石畳が続く古道

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2018年10月08日 06:07

 さて、青崩峠までの古道は、風情たっぷりの石畳。濡れた石は足を滑らせやすく楽な道でもありませんでしたが、石畳の道は昔の舗装道路。元々は、けもの道、踏み分け道であったとは思いますが、この石畳はいつ頃施工されたのでしょうか?

 中央構造線破砕帯上にある青崩峠ですが、山の石はもう少し大きくゴツゴツとしています。近くを流れる沢にも石が転げてはいましたが、石畳に敷かれていたのは、もう少し小さな石。角も取れて丸みを帯びた石も交じっていましたので、山の石と少し下流から拾って来て並べた石とを雑ぜたようです。

 構造線外帯の山の石は割りやすいと思います。割れて軟らかい部分がそぎ落とされ、硬い部分だけ残った川石の大きさは、人一人で運ぶのにちょうどよい大きさ。石畳が斜面の土砂によって埋まらないように積まれた低い石垣には、主に山石が使われ、重さがかかる路面には川石が目立ちます。

 傾斜が大きな坂道は、階段状に石畳が敷かれているのは、荷車には不向きですが、難所として知られる青崩峠を馬で越す時には背荷物での峠越え。重い荷物を背負った馬たちは、途中何ヶ所かで渡る沢の水を、何度も何度も口にしたことでしょう。

 ・・・などと妄想しながら歩いていると、ふと前方から、馬方に引かれた馬が、口を大きく開け首を大きく縦に振りながら現れそうでした。

 でも、長野県側は石畳になっていませんでしたので、もしかしたら近年に造られたものかも知れません。

 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く①―フジアザミ
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く②―さば地蔵?やまめ地蔵?
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く③―2012年冬の「足神様の氷壁」
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く④―足神神社
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑤―「足神様の銘水」
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑥―瑟平太郎の墓
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑦―「木地屋の墓」と栃の巨木
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑧―アケボノソウと野生のホオズキ
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑨―青崩峠口で咲く金木犀
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑪―武田信玄公腰掛岩
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑫―青く崩れた破砕帯
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑬―断層谷
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑭―石仏群
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑮―歌碑
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑯―「青崩峠」の標識
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑰―熊伏山
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑱―「一等三角點」
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑲―枯れたスズタケ
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く⑳―雪景色
 【関連記事】遠信国境・青崩峠を歩く㉑―古地図に描かれた「青崩峠」

関連記事