遠信国境・青崩峠を歩く⑩―石畳が続く古道
さて、青崩峠までの古道は、風情たっぷりの石畳。濡れた石は足を滑らせやすく楽な道でもありませんでしたが、石畳の道は昔の舗装道路。元々は、けもの道、踏み分け道であったとは思いますが、この石畳はいつ頃施工されたのでしょうか?
中央構造線破砕帯上にある青崩峠ですが、山の石はもう少し大きくゴツゴツとしています。近くを流れる沢にも石が転げてはいましたが、石畳に敷かれていたのは、もう少し小さな石。角も取れて丸みを帯びた石も交じっていましたので、山の石と少し下流から拾って来て並べた石とを雑ぜたようです。
構造線外帯の山の石は割りやすいと思います。割れて軟らかい部分がそぎ落とされ、硬い部分だけ残った川石の大きさは、人一人で運ぶのにちょうどよい大きさ。石畳が斜面の土砂によって埋まらないように積まれた低い石垣には、主に山石が使われ、重さがかかる路面には川石が目立ちます。
傾斜が大きな坂道は、階段状に石畳が敷かれているのは、荷車には不向きですが、難所として知られる青崩峠を馬で越す時には背荷物での峠越え。重い荷物を背負った馬たちは、途中何ヶ所かで渡る沢の水を、何度も何度も口にしたことでしょう。
・・・などと妄想しながら歩いていると、ふと前方から、馬方に引かれた馬が、口を大きく開け首を大きく縦に振りながら現れそうでした。
でも、長野県側は石畳になっていませんでしたので、もしかしたら近年に造られたものかも知れません。
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