初秋の青谷を歩く⑧―「殿奥さま」
青谷で出会った地元の人から「殿奥(とんのく)さま」の話が出ました。
「ふるさとものがたり天竜」に掲載された『殿奥さま』の話とは・・・
むかし阿多古の里の渡が島に、砦が作られた時代があった。
そのころのことであろう。阿多古の里を訪れた殿さまが、美しい奥方を連れていた。
現在青谷にあって、『殿奥(とんのく)さま』と呼ばれている五輪さまは、
「その奥方の墓だげな。」
と、村人は今に伝えている。
殿さま・・・・・・。それはもちろん、徳川家康であるそうな。(「ふるさとものがたり天竜」より)
残念ながら、現在、「殿奥さま」を見ることはできないそうです。「住む人が減っちゃって、祭りもできなくなったでな。おれらは、『ごうりんさま』って呼んでたけどよ」。
青谷の秋空を背景に咲く白いセンニンソウ(仙人草)の花なら、「殿奥さま」の行方を知っているのかも知れません。
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