磐田市竜洋中島・蓮覚寺山門③―飾り瓦
蓮覚寺山門を見上げてみると、棟瓦には「波に菊」の意匠が用いられ、両端の位置には鯱が。降り棟の先端には、正面側は獅子瓦、裏面側は牡丹の瓦で飾られています。
獅子瓦の獅子は逆立ちをしていますが、口元を見ると、左右が1対の阿吽となり、獅子の胴にはライオンの毛並を模したとされる渦巻紋。いずれの瓦も、魔除け・火災除けの意味を感じさせる手の込んだ造形です。
裏側から棟瓦を見上げてみると、左端に何か文字が刻まれているのが見えました。写真に収めて拡大してみたところ、「明治十八酉十二月」と読めましたので、西暦に直すと1885年。12月には伊藤博文が初代内閣総理大臣に就任しています。
・・・と言うことは、明治10年(1877)に現在地に移築されたとされる山門ですが、その8年後に屋根瓦の修理が行われたということ。
さらに文字を追ってみると「遠州見付 権現瓦屋 筆吉作之」?文字の読みは確かなものではありませんが、この瓦を焼いた職人の名前だと思われます。
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