伝説の地「竜戸」を訪ねる②―地名の由来

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2020年07月16日 05:02

 不思議な伝説「竜戸由来」の元とされる「竜の玉が落ちた岩」を一目見ようと、水窪町の竜戸集落を訪れました。

 運転に自信のない私ですから、自動車を集落入口となる道路脇に停め、そこからは急な坂道を歩いて登ることにしました。しかも、その岩がどこにあるのかの予備知識もありません。無謀と言えば無謀なのですが、探して分からなければ、聞けば良いのですから・・・。

 1歩1歩坂道を登って行くと、家々の点在する集落に達し、何やら祠のようなものが建っています。「あった!」。その祠の脇に、お目当ての「竜の玉の落ちた岩」が鎮座していました。

 「ずい分古くからここにあるから、最近になってどこかから持って来たもんじゃあ絶対にない」とのことでしたが、どうやら岩は石灰岩。一目見て、長年の雨水や湧水による風化で穴が開いたものと思われましたが、「落ちた玉もちゃんとあるらしい」とのことですので、本物かも知れません。

 そういえば、集落の入口に写真のような「がけ崩れ注意」の看板が立っていました。「がけ崩れが発生する恐れがありますので、大雨の時などは十分注意して下さい。」の警告文と崩落のイラスト。何と、そのイラストと、「竜戸」の地形がそっくりではありませんか?

 「竜」が付く地名と洪水や崩落災害との間には、深い関係があると言われています。それは、祖先から子孫へと申し送る注意喚起のメッセージのはず。これが本当の「竜戸」の地名由来?

 じゃあ、「竜の玉の落ちた岩」の言い伝えって嘘なの?いやいや、伝説や言い伝えに嘘なんてありません。集落の熊野神社には、毎年11月に伝統の「神楽舞」が奉納されています。

 *記事は、私が書いていたNPO「天竜川・杣人の会」のブログ「出かけよう!北遠へ ふるさと散歩道」に掲載したもの。同ブログは終了しましたので、過去記事を再掲載させていただきました。

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