2011年6月25日、熊伏の山歩き⑦―食べ尽くされたスズタケ

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2020年05月10日 05:30

 さて、静岡県と長野県との県境でもある熊伏山への登山道―ニホンジカによる食害の状況はどうなのでしょうか?

 青崩峠の登り口からのしばらくは、スズタケが青々と茂り、以前と比べるといくらか食害が軽減されたような気がしていました。ところが、それはつかの間の安心。少し登った辺りからは、きれいに食べられ、枯葉色のスズタケが林床を覆っています。

 写真が、ちょうどその境目。片側にはまだ緑色が残っていますが、ここから上のスズタケは、食べやすい高さですべて食べ尽くされ、人為的に刈り揃えられたかのように見えます。

 このままでは、来年の熊伏山の登山道は、ガレ場と倒木、そしてスズタケに代わって、ニホンジカが食べないバイケイソウが目立つようになってしまうかも知れません。

 そんな結果にならないように、県境の自然は両県の力を合わせて対策を講じる必要があります。

 熊伏山の名前は、崩落地ばかりが続き「熊も恐れて伏せている」という意味。熊は怖がっているのかも知れませんが、今のところニホンジカは闊歩しているようです。

 *記事は「出かけよう!北遠へ ふるさと散歩道」に掲載したもの。ステイホームのため、過去記事を再掲載させていただきました。

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