春を待ちきれず阿蔵を歩く②―馬酔木
玖延寺で咲いていたスズランに似た釣鐘状の花は「馬酔木」です。短歌雑誌の「馬酔木」の場合には「あしび」と読みますが、植物名としては「アセビ」。生薬名では「ばすいぼく」と音読みすることもある有毒植物です。
白い花が、いわゆる「馬酔木(アセビ)」で、ピンクの花は「曙馬酔木(アケボノアセビ)」。蕾の状態では、ともに赤っぽい色ですから、花が開いてからでないと区別が付けにくい花です。
「吾背子に吾が恋ふらくは奥山の 馬酔木の花の今盛りなり」(「万葉集」10巻)
「万葉集」には「馬酔木」を詠んだ歌がたくさんあります。でも、「ウマゴロシ」「ウシゴロシ」と呼ぶ地方もあり、花の蜜まで有毒で、葉を煎じて殺虫剤にするくらいだそうです。注意!注意!
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