大園諏訪神社跡を訪ねる④―消された「秋葉大権現」
旧天竜市の大園には、「明治四十四年一月建之」の「秋葉常夜燈」が立ち、基礎には「大園區安全」の文字が刻まれて、諏訪神社は失われましたが集落内に常夜燈は残っています。
紹介したいのは、竿の正面に彫られた「秋葉常夜燈」の文字ではなく、その脇に彫られた「秋葉大権現」の文字。その「秋葉大権現」が何かで埋められて消されているのです。
明治44年(1911)には、とっくに神仏分離令は周知されていたはず。ところが、何かの理由で「秋葉大権現」と彫ってしまったことに気づき、この文字を埋めて竿を90度回し、現在の正面の位置に新たに「秋葉常夜燈」と彫り直したものと思われます。
そのため、竿の右側の道路側から建立年月が見えてしまいます。姿の美しい神前型の石燈籠。かなり大型ですので、遠目にもよく目立ちます。でも、近寄って見ると、こんな歴史が垣間見えました。
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