復旧した秋葉山表参道⑪―人工林
台風24号の強風によりなぎ倒された杉の木が目立つ秋葉山ですが、ほとんどは戦後の拡大造林によって植林された人工林の杉。挿し木から育った杉には直根がなく、根の張りが不十分で倒れやすいと言われています。
根こそぎ倒された杉を見てみると、直根が伸びていません。これは、秋葉山には岩が多く、山を覆う土の層が薄いためかも知れませんが、過密の植林され、間伐も進まない人工林で見られがちな「もやし林」が原因かも知れません。
子どもの頃にも秋葉山に登ったことがあるという人に話によれば、当時の表参道はもっと明るかったとのこと。植林されて間もない頃の秋葉山と比べると、近頃では年毎に鬱蒼とした森になって来ているというのです。
毎年のように松が枯れ、ヤマザクラの枝が落ち、下草の生育も悪くなっています。このままでは、台風が襲来するごとに、倒木被害が発生し「立入禁止」の札が立てられるようになってしまいます。全国各地で起きている深刻な事態は、林業だけでなく、観光の面でも大きな問題を孕んでいるのです。
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