諏訪大社を訪ねて⑧―上社本宮には龍が棲む
諏訪大社の祭神は、建御名方神 (たけみなかたのかみ)と八坂刀売神 (やさかとめのかみ)ですが、諏訪地方の土着の神、ミシャグジ神であるとする説もあります。そして、そのミシャグジ神はしばしば龍体として描かれることが多いようです。
神社の社殿などで龍の彫り物を見かけることが多いのは、神域の四方を守る四神として、縁起の良いとされる瑞獣の1つとして、また火事に際しては水を吹き出し鎮火する守り神としてなどの理由が考えられます。
しかし、諏訪大社とミシャグジ神との関連を考えると、上社本宮(もとみや)に多く棲む龍神は、ミシャグジ神を表しているような気もして来ます。
私たちに馴染みの天竜川の名は、蛇行しながら激しく流れ下る様を龍体に例えたと言われていますが、水源となる地の諏訪信仰と併せて考えれば、偶然の一致ではないのでは。
諏訪市中洲宮山の諏訪大社上社本宮が鎮座しているのは、前宮(まえみや)から西に向かい、諏訪市の入ってすぐの辺り。私たちは石の太鼓橋を渡り、東参道の金銅鳥居をくぐり、西に向かって進み境内に入りました。
関連記事