諏訪大社を訪ねて③―御室社のミシャグジ神
諏訪大社上社前宮(まえみや)で見かけた小さな石祠。何の変哲もない石祠ではありましたが、そこに建てられた看板には「御室社(みむろしゃ)」として、ミシャグジ神の神事についての解説が書かれていました。
中世までは諏訪郡内の諸郷の奉仕によって半地下式の土室が造られ、現人神の大祝や神長官以下の神官が参篭し、蛇形の御体と称する大小のミシャグジ神とともに「穴巣始(あなすはじめ)」といって、冬ごもりをした遺跡地である。
旧暦十二月二二日に「御室入り」をして、翌年三月中旬寅日に御室が撤去されるまで、土室の中で神秘な祭祀が続行されたという。
諏訪信仰の中では特殊神事として重要視されていたが、中世以降は惜しくも廃絶した。
安国寺史友会
諏訪信仰とミシャグジ神については謎ばかり。日本古来の土着神と考えられ、蛇や龍の姿をしていたとも言われています。
解説に従えば、この石祠前の地面に穴を掘り、冬眠中の蛇とともに神事が執り行われたということ。穴は、その都度掘られ、その都度埋め戻されたようです。
蛇神、石神、祟り神、尺神、道祖神、製鉄神、酒神、農耕神、安産神、峠神・・・。一体、ミシャグジ神とは何者なんでしょう?
「御室」は、北遠にもゆかりの深い名。ミシャグジは、私に古い絵葉書を貸していただいている見付の佐口(さぐち)さんの名字とも関係がありそうです。
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