水窪・小畑観音堂を訪ねる④―海老虹梁の龍
小畑観音堂のこれでもかと言うほどの彫刻群は、立川流の功名さと比べればやや雑な仕上がりのような気もします。でも、私はこんな彫刻も好き。海老虹梁の三爪の龍は、他ではちょっと見られない程の迫力です。
顔を見れば漫画チックな感じもしますが、笑ったように彫られた口元が不気味です。
日本人にとっての龍は、雨を降らせる龍神であり、農耕の神。時として荒ぶる神でもあり、天竜川流域に住む者にとっては、洪水を引き起こす祟りを畏れる神。畏れるからこそ敬いの対象なのです。
そんな日本人が大好きな龍は、海老虹梁だけではなく、お堂入口「観音堂」の額の下にも刻まれていました。
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