水窪・小畑観音堂を訪ねる③―唐破風懸魚の弁財天と吉祥天
水窪町の「小畑」と「大里」の地名には、こんな言い伝えがあります。応永の中頃(1410年頃)、奥山金吾正定則が後醍醐天皇の孫伊良(ゆきよし)親王を奉じ、仮御所と政所を設けた場所が「内裏⇒大里(だいり)」、そして、関所を置いて錦の御旗を掲げた場所が「御旗⇒小畑(おばた)」とのこと。観音堂は、そんな小畑の山の斜面を登った高台にあります。
唐破風懸魚の彫刻は、雲の上に2人の天女が座っているようです。1人は琵琶を持ち、1人は宝珠を抱えていますので、弁財天と吉祥天。琵琶を弾く弁財天は、諸芸能上達の神。吉祥天は福徳の神。
かつて吉祥天は七福神の1人で数えられていたのですが、その後、弁財天に人気が集まり、七福神の座を奪われた因縁があるようですが、小畑観音堂では2人仲良く小畑の集落を見下ろしています。
あなたなら、どちらの天女を七福神として選びますか?
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